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ニックネーム みんみん星人さん

「疲れてるから、また今度にして。」
 夫からの誘いに、悪気もなく、何気なく発した私の言葉。陽ちゃんや楓さんの姿が自分と重なった。夫はみちや新名さんのように、傷付き、悩んだのだろうか…。仕事と家事、育児の日々に疲れた中、出合った1冊。同じ悩みを共有して、触れ合う内に、惹かれあってしまうみちと新名さんにドキドキし、2人の溢れる想いに涙した。不器用で愛おしい主人公たちに魅了され、感情移入し、夫婦とは、愛とはとたくさん考えさせられた。
 夫婦でも言葉にしないと伝わらないけど、全てを打ち明けるのは難しい。どうやって言葉にすればいいのかも分からない。
夫婦の数だけ悩みがある。悩みや不安は尽きることはなく、答えは中々出ないけれど、みちが自分と向き合い、新しい場所へ進んでいこうとする姿を見て、私も毎日に、夫や家族に向き合う元気をもらえた。続きがとても気になる1冊だ。

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ニックネーム ひろりさん

 あなたがしてくれなくても…後に続く言葉はなんだろうと考えてしまいました。してくれなくても、他の人がしてくれる…?してくれなくても、愛してる…?とにかくそれぞれの思惑が上手くいかない所が現実的です。漫画くらい幸せになって欲しいと思いますが、読んでくうちにその「幸せ」がなんなのか分からなくなります。自分がどのキャラクターに似てるのか一筋縄には考えつかない所もまた魅力的です。一生懸命仕事する、恋する、生活する、愛する、求め合う……人の営みを考えるきっかけになる漫画です。ただのドロドロ不倫漫画と一緒だと思って読むと、後悔しますよ。

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ニックネーム コロママさん

「最後にしたのがいつだかわからない。」
 20年近く前、私がホステス時代にある男性から聞いた、衝撃的な言葉。
「もしかしたら4年になるかな?」
 その男性は首を傾げ、子供の年齢から粗方の見当をつけたようだった。哀れむべきか、励ますべきか、返す言葉に困ったことを覚えている。
 そんな信じがたい出来事が、自分にも訪れた時、私はすうっと合点がいって、清々しささえ覚えた。昔の私が知り得なかった世界にたどり着けた気がした。
 決してレスになることを望んだわけではないし、かと言ってレスにならないように努力をしたわけでもない。触れられたくない時もあったし、触れてもらえないもどかしさも知っている。
 子供たちが眠った後に帰宅して、ソファーで寝息を立てる夫を、今まで何百回見てきただろう。呆れてしまうけれど、色々な変化や年数を経て、少し不本意ながらも、穏やかな今が確かにここにある。
 どうか、みちには笑ってほしいと願う。頑張った自分を誉めてあげてほしい。どんな決断をしようとも、大切な"今"を自分らしくいられる場所があれば、きっと輝けるはずだから。

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ニックネーム 綿津実さん

 最初に読み始めたきっかけは、透明感のある美しい絵と、斬新な、興味をくすぐられるタイトルでした。
 一般に不倫のお話は、不謹慎ながら自分にはできないからこそ、人間らしさが出るところが好きです。だけどこのお話は当事者間だけでなく、全ての人が丁寧に描かれていて感情移入できました。全員に共感できる話はなかなかないと思います。自分の気持ちにどう整理をつけるのか、前に進む姿に応援したくなるし、目が離せない。その背景には読み手の過去の体験や感情にどこか誰もが触れる部分があるからだと思います。
 みちと新名さんは二人とも誠実で真っ当で、ハラハラしながらも、安心して見てられます。それでも魅力的なのは、突き動かされる情動の先に、もがいて何かを得て、問題やその先のことを考えていく過程があるからだと思います。
 不倫じゃなくても、人間関係の中でも、ほつれや上手く行かないときがあって。そんな自分を重ねて、自分ももがいてみよう、と思わせてくれます。勇気をもらっています。
 だけど、もう少し若かったら?状況が違っていたら?三島さんのように訴えられていたかも。華ちゃんのように奥さんがいようが積極的だったかも。それを思うと感情が入って泣きそうになることもしばしばです。
 愛しい人達の行く末を、もう少し見守りたいです。

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ニックネーム イチャ悶さん

「陽ちゃん ハエですらセックスしてるよ」というみちの独白は胸に堪えました。
 同棲四年、レス歴二年の男です。
 みちや誠の心の叫びはまさしく私自身の心の叫びで痛みでした。
 世の中でレスが問題として取り上げられても私もと声を上げることは出来ませんでした。
 それを私と彼女の間に横たわる問題だと認めたくなかったし、体で繋がっていなくても心で繋がっているからと自分を慰めていました。
 その欺瞞が読んで内にボロボロと剥がれ落ちていくのを感じました。
 期待しなければ傷つかない。
 みちの涙に嗚咽を堪えることが出来ませんでした。
 心に鎧を纏ったって、その鎧だって心で出来ているんだ。
 置き去りにされてきた自分の心が、みちや誠という戦友を得て、少しずつ勇気を取り戻していくのを感じました。
 でも、この作品が本当に凄いのは、本当に怖いのはここからでした。
 本当に私はレスの一方的な被害者なのか?
 そもそもセックスレスとは一体何なのか?
 四者四様の心模様、そのいずれにも共感でき、私自身にも陽ちゃんと同じく「他者への想像力」が欠如していることを知りました。
 想像力とはすなわち他者を思いやる気持ちに他なりません。
 拒絶されてからのリスタート。
 彼ら彼女らと一緒に、もう一度自分の心と、何より彼女と向き合いたいと思います。

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ニックネーム なっさんさん

 どんなにうまくいっているように見える夫婦にも、問題や悩みはあるということを考えさせられました。自分自身、幸せな結婚生活を送っているように周りから見られるものの、旦那の過去の過ちを心のどこかで許せず、疑ってばかりの日々を過ごしています。楓さんの、体だけの関係なら許せたのにという言葉がすごく身に染みました。精神的な関係の方が辛いですよね。また、陽ちゃんの寂しさも分かります。急に求められなくなると不安にもなりますよね。こんなに結婚後の不安や葛藤を代弁してくれる漫画を求めていました。皆が同じような不安を抱えながら結婚生活を送っているのかと思うと、少し報われます。なんの不安や不満もなく幸せな結婚生活を送れる夫婦なんて、そうそういませんよね。皆どこかに悩みを抱えていて、それを周りには見せないように生活しているんですよね。
 悩みは隠して気丈に振る舞う登場人物たちにも共感しました。

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ニックネーム 貝柱さん

 私は童貞です。まだ本気の恋愛をしたことがありません。だからセックスレスの話なんて共感出来る筈がありません。出来ない筈…でした。でもレスの話はただ単に体の交流が無いとかそういう次元の話じゃなくて、言葉にしないとわからない、ううん、言葉にしてもきっとわからない「愛」とかいう何かをお互いの中に探し合い、確かめ合うコミュニケーションの一種なんだとこの作品を通じて知りました。セックスに憧れると同時に相手もいないのに勝手にプレッシャーを感じ、ますます童貞を拗らせてしまいそうにもなりました。正直最初はセックスを拒む側、陽一と楓が悪いと決め付けていました。自分がみちと誠の立場でももう自分は愛されていないんじゃないかと不安になります。せめて受け入れる努力をして欲しい。そんな二人の気持ちが痛い程よくわかり、だから「戦友」同士、例え傷の舐め合いだとしても、彼女らが惹かれ合う姿をとても自然だと、責められないと思いました。でも陽一と楓の心情も深く掘り下げられる内に、そこには傷ついた四人の孤人がいるだけで、誰かが悪いとかそういう問題ではないんだと感じるようになりました。まるで愛の迷宮に迷い込んでしまったかのような心細さです。このまま恋愛EDに陥ってしまわぬよう、みち達にはどうか希望を見せて欲しいと思っています。

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ニックネーム こまつさん

 私にとってこの作品は、旦那と仲良し夫婦でいるため心の支えです。どの巻も切なくて、泣きながら癒されました。どんなに相手を愛していても、体も愛されないと、心まで離れていってしまう。どちらかが歩み寄り心を通わせる事で夫婦としての本当の愛情を取り戻す事ができるということを教えてくれました。特に、みちが陽一に対して試行錯誤しながら問題を解決しようとするたびに失敗して傷ついて、一筋縄では行かない健気な姿にとても共感できました。必死に努力すればするほど自分が惨めになったり、相手が変わってくれない事に呆れて反抗的になったり…とても複雑で繊細な心情を描いていて、どの登場人物にも感情移入でき、自然と涙が出てくる作品です。私もレスで悩み、誰にも相談できず、旦那がスヤスヤ寝ている横で静かに1人で泣いて眠れない夜が何度もありました。旦那は楓のような仕事熱心な人です。仕事に一生懸命なのは、素晴らしい事だから構って欲しいなんて尚更言えない。でも少しくらい私の事も考えて欲しい…。そんなモヤモヤする気持ちを誠が代弁してくれているみたいで、話が進むにつれて心が軽くなりました。2つの夫婦がお互いに気持ちを伝えて、相手を受け入れて、これからどういう展開になるのかとても楽しみです。私も参考にしていきたいです。

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ニックネーム 丘の上の三毛猫ホームズさん

 とても共感できる部分が多くて自分の心を代弁しているような物語。自分も下の子が産まれてから何十年とセックスレス。50歳になろうという熟年夫婦とはそんなものだと納得させて。子育てと仕事と家事に追われる日々。自分にも女としての魅力がないことは自覚していた。みちほど若くないけどレスはもう愛されていないんだなって実感させられる。そんな時夫の不倫が発覚。相手は自分の半分の歳の女。2年間、自分は何も知らずに過ごしてきた。相手の親に念書を書かされてもやめられなかった。世間体のために戻ってきたけどその時に自分の心は死んだ。バレなければ今も続いていた。良かったのに。知らない所で勝手に不倫していてくれれば。それからは地獄のような日々。楓の知らず知らず涙が溢れてくる気持ちも三島の不倫相手の妻の心が二度死ぬのは耐えられないという言葉も身に染みた。恐らく私を傷つけようとして不倫していた訳ではない。お互い好きでどうしても離れられなかったんだなって思い知らされる。だったら離婚したのに。妻としての、女としての矜持、色んなものが全て吹き飛んだ。今は家族を大切に思ってくれてるのかもしれない。時が解決するだろうと思っていたけど今も虚しい。
 物語を読んで不倫に苦しんでいる人が他にもいるんだなって思えた。勇気をありがとう。

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ニックネーム ユキさん

 主人公のみちと同じく夫とのセックスレスに悩み、解決法を模索していた私の心に一番響いたシーンがある。
 陽一がみちとセックスレスについて話し合うため訪れた喫茶店で、アイスコーヒーを前にして「もう味も臭いも全部わかってる それに加えのども渇いてないのに 飲めって言われてるみたいなんだよなぁ…」と思うところだ。
 この陽一のシーンを読んだとき、私はストンと納得したのだ。
 私の夫も陽一も何かと理由をつけてセックスを回避しようとするけれど、きっと本音は飲みたいわけでもないアイスコーヒーを出されている気分だったのだろうな、と不思議なことにすんなり理解した。ずっとモヤモヤしていたものが一気に消えたような感覚だった。
 相手の気持ちを理解したところでセックスレスが解消されるわけではないけれど、私が悪いからだと自分を責めることから解放されて楽になった。
 みちとは違い、私には新名さんのような存在はいないし、依然として夫婦の間に問題は残っている。
けれど、ここまで共感できる作品を最後まで読み終えたとき、私たち夫婦も何か変われるのではないか……と期待しながら続きを待っている。

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ニックネーム さゆりなさん

 最近増えている、「セックスレス」を扱っている漫画ですが他の作品とは全く違うものとなっています。
 よくある過激な展開も無く、無理なく各登場人物の心情が淡々と描かれている印象です。
 とても丁寧で、感傷的になるシーンも多いです。まさに表紙のイメージでシトシトと雨が降っているような情景が浮かぶようです。
 私自身も、レスで悩んでいた事もあり(そういう方本当に多いと思う!)すぐに手に取りました。
 難しい問題です。
 この作品のすごいところは、通常悪役にされるであろう主人公の夫【陽一】にもスポットが当てられているところです。
 それでも嫌われがちかもしれませんが(笑)きちんと彼の心情を見事に表現されています。アイスコーヒーの表現は女性にも分かりやすく、納得のいくものでした。
 それでも悲しくなりますが、それがリアルなのかもと感じます。
 ただ、レスを解消するだけではなくみちのように相手と向き合う事が大切なんだなと分かります。問題を抱えながらもすすんでいくのがリアルです。
 ドラマ的には新名さんと‥と期待する読者も多いと思いますが簡単にそう転ばないところも妙にリアルで、見どころです!
 リアルすぎて胸にささる描写も多いのですが是非男性にも読んでもらいたい、素晴らしい作品です!

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ニックネーム 納豆卵かけごはんさん

 一話を読んだとき、リアルだと感じた。
 私は二十代後半の独身で、主人公のみちとは立場も違うし、結婚願望もない。なのにどうして夫婦の問題であるこの作品を読んで切なくなってしまうか、未だに分からないままである。
 この漫画のテーマは「セックスレス」
 私はセックス=愛だとは思っていないため「セックスをしてくれないこと」で陽ちゃんばかりが責められるのならば少し可哀想だと思っていた。陽ちゃんは作中にある通り「DVしてる訳でも浮気してる訳でも借金がある訳でもない」からだ。
 だからといって、陽ちゃんだけに肩入れして読み進めることはできなかった。
 何故か主人公が泣いていると、みちのために、どうか、セックスしてほしい……と、勝手な事を思ってしまうのである。
 みちは言う「家族でも私には必要なことなの だって他の家族とはしないでしょ?」このセリフは、拒まれている人にしか気付けない考えだと思う。そういった、当事者でしか言い表せない感情が、この作品にはちりばめられている。
 作品を通して初めて、レス状態にある夫婦の多さを知った。
 この真摯な異なる価値観の叫びを、私は無視しないでいたい。

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ニックネーム まえみいさん

「陽ちゃん、ハエですらセックスしてるよ。」この台詞を見た時、強い衝撃を受けました。
 私は五年間のセックスレスと旦那の不倫が原因で、一昨年離婚しました。拒否されるみちと私。拒否するのに浮気はする陽ちゃんと旦那。色々な要素が私の結婚生活と重なりました。また、この作品を通して私は様々な事に気付かされたのです。
 レスを改善する為、私は色々な努力をしました。下着の新調、髪型の変化、怠らないメイク。今思えば、その全ては旦那にとって関心の無い事だったのです。そして、私もみちと同様に、したくない側の気持ちを、考えた事がなかったのです。時間さえあれば旦那に訴え、妊婦を見ては僻み、虫の交尾を見て羨み、20歳から5年間、頭の中はレス一色。
 結局、私は離婚をし、セックスレスの呪縛からは解放されましたが、この作品がもっと早くからあって、もっと早く出会うことが出来れば、私の結婚生活は何か変わっていたのかもしれません。レスで悩む人々の色々な角度からの鮮明な心理描写が本当に秀逸だと思います。セックスレス大国、日本。今、レスで悩んでいる人達がいれば、是非読んでほしい。何か変わるかもしれない。一足先にレスを卒業しましたが、当事者のような気持ちで、登場人物の行く末を見守っています。

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ニックネーム こももさん

 誰のエピソードを見ても腹が立ち、同時に誰のことも責められない自分に気付きました。出てくる人物がそれぞれ魅力的で、持っている弱さを自分の持っているなと感じるからだと思います。
 その中でも、特に共感して読んでしまうのは楓です。バリバリと働いていて、女性としても自信があって、でも誠の変化に気づいたときにはもう遅いという状況がすごく切なかったです。
 誠が風邪を引き始めているときにうつさないでよと言ってしまう憎たらしい姿、誠から不安を打ち明けられて焦って必死になって家事をこなそうとしている姿、それが裏目に出てかえって誠をイライラさせ、これまで自分がしてきたことを悔やむ姿、読んでいて楓に対してイライラしますが、まるで自分のことのように感じられました。
 誠の優しさが自分を責めているように感じてしまっている場面があり、(楓も誠ももっと早くにお互いの気持ちをオープンに話せていたら、でも二人の立場になってそれぞれ考えると言えないな)ともどかしさを感じました。
 読んでいて、楓と誠が上手くいってほしいような、早く誠と別れてしまって自分のことに集中してほしいような、そんな二つの気持ちを同時に抱えながら読み進めています。

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ニックネーム ぽしゃこさん

 胸が苦しくなるのに、切なくなるのに、誰も悪くないよと言ってあげたくなる作品です。
 どの登場人物にも共感できる一方で、不倫という内容を扱っている以上、全てに共感するわけにはいかなくて。
セックスレスという誰にでも起こりうる内容に対して、誰もが抱えてしまう矛盾や後ろめたさを、いけないとわかっていても共感してしまうほど、読んでいて感情が揺れ動いてしまいます。
 みちも新名さんも、みんな誠実さの中に人間らしい欲深さがあって、応援してはいけない恋まで応援したくなるほど、魅力的な登場人物ばかりです。
 もしも自分が同じ状況だったら、きっと私も同じことをしてしまうだろうと、そんな感情が湧いてきてしまいます。
全員幸せになれる権利があるのに、誰もその権利に気付かず、一時の過ちを引きずってしまうところは、非常に胸が苦しくなります。
どうか、幸せになってほしいです。

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ニックネーム Nさん

 28歳、交際5年、結婚1年になる夫がいます。私は、今まで一度も、夫とハグもキスも、セックスもしたことがありません。夫婦の関係は概ね良好、よく一緒に食事や買い物にも出かけます。一緒に色々な話をして、よく笑います。でも、心の奥底では、毎日寂しいです。虚しいです。結婚を機に購入したダブルベッド。初めこそ背は向けられながらも隣で寝ていましたが、ベッドでは寝づらいと、今は夫はリビングで寝ています。私にとっての幸せって何だろう、私はこの先一生愛されることはないのだろうか、私は本当に妻として、女として必要とされているのだろうか。夜、ダブルベッドの端で1人考え、涙をこぼす日々です。そんなときに出会ったのが「あなたがしてくれなくても」でした。「夫がしてくれない、でも不倫したいわけじゃない」、「このまま女として終わるのかなぁ…?」自分自身の気持ちを代弁してくれているようなセリフの数々に何度も本を読み返しては泣きました。今の私にはまだ自分の気持ちを相手に伝える勇気がありません。辛くても相手に向き合い、自分の気持ちを伝えるみち、誠は立派だと思います。例えそれでさらに辛い思いを味わうことになったとしても、一生一人で泣き続けるよりきっとずっと良いと思います。私も一歩前へ進みたいと思わせてもらえる作品です。

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ニックネーム ともにのりこえようさん

 最初にこの作品の1巻を読んだ時はあまりに驚いて誰かに私自身の生活を覗かれていたり、盗聴をされていないかと本当に怖くなって、実際に後ろを振り返りました
 何故なら、私の姓が誠さんと同じ新名で妻や子供はいますが、もう何年も誠さんと同じように精神的な支えがなく、そのより所を求めていたからです。
 1巻で田中さんが仕事を押し付けられたのを、誠さんとみちさんが手伝うシーンがありましたが、何だか自分自身がないがしろにされているんじゃないかと、私も同じ気持ちになっていました。私はパートナーにとってただ生活をするための道具やATMになっているんじゃないかと?
 二人はレスだとカミングアウトし、同じ境遇の戦友から惹かれあっていきますが、お互いの寂しい気持ちが優しい心で満たされていくところが、とても共感できますし、そういった関係がいけないとは思いながらも羨ましく思いました。
 この作品自体はレスを中心に書かれていますが、その先にある、相手を思い合ったり大切にする気持ちが大事なんだと気付かされました。
 その、お互いを思いやる気持ちを確認する一つがセックスにあるんじゃないかと思います。
 最後に、みちさんと誠さんを応援しながら、二人の行く末がハッピーエンドになることを願っております。

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ニックネーム パンナコッタさん

 私も新婚一年目にして レス、浮気、を経験しました。話し合っても 私は「したい」夫は「したくない」ずっと平行線でした。同じベッドにも眠らず 泣きながら 離婚しようかとずっと悩んで苦しみました。きっと 新名さんみたいな人が現れたらすぐにすがりつきにいったと思います。
 みちは本当に偉いです。陽ちゃんと何回も向き合おうとするその行動に感銘を受けました。みちも新名さんも幸せになってほしい。どうかこれ以上傷つかないでと 感情移入してます。
  みちがキーケースをプレゼントされたとき喜ばなかったのも 本当に私そのもので そのシーンを見て以来 ちょっとした行動、プレゼント、「嬉しい、ありがとう」と何度も告げるようにしました。喧嘩も少なくなり 一昨日には脱レスしました。1年ぶりでした。 この漫画に出会えて本当に心の底から感謝しています。 これからこの漫画の登場人物を暖かく見守りつつ、そして私も旦那の気持ちに寄り添える 良い女になれるようこの漫画を読んで勉強していこうと思います。

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ニックネーム かなさん

 人は好きと寂しいを錯覚してしまうそうです。
 相手に何かをしたいという気持ち、そばにいたい、一緒にいると幸せな気持ちになる好きは、
 心にぽっかり空いた穴を埋めたい、優しくしてほしい、かまってほしい気持ちの寂しいと似ているものです。
 あなたがしてくれなくても…
 あなた以外に埋めてくれる人がいるかも…と弱い心は一緒にいてくれる人を求めてしまいます。
 頭で分かっていても、どうしても気持ちが浮ついてしまう事もあります。
 それぞれの登場人物の思いに共感できる部分があり、いつも楽しく切なく読んでいます。
 「家族愛」「恋愛」「信頼」
 どれも1人じゃ出来ない事ですね。
 喧嘩も話し合いも相手がいないと出来ない事です。
 そんな相手がいるということを大切にしていきたいと思うのと同時に本の登場人物と一緒に色々もがいていきたいと思います。

入賞
ニックネーム さん

 夫とのレスで悩んでいた時に著書を知り、すぐさまテーマ買い。みちや誠と同じ立場で感情移入。ただセックスがしたいのではなく、愛されていると感じたいから。精神的な充実と安心感が欲しいから。拒まれて自信がすり減る、伴侶には自分を見てもらえず、些細なスキンシップも拒まれたり、心無い言葉を言われた描写…自分と重なり心にズサズサと突き刺さった。
 みちが「変わったのは自分もだ」と気付いたキーケースの件や「お金と体と心3つ揃っている人はいない」という華の主張はみち同様に感じるものがあり、自分を変えようとした事もあった。誠がみちに勇気づけられていた様に、私もみちに勇気づけられていた。
 また、誠が「たとえ修復不可能になったとしても」と楓に向き合う決心をする描写は夫との関係に終止符を打ちたかった時に勇気づけられた。
 離婚したからこそ思う。
 みちと陽一、誠と楓…ここまで溝が出来たらそれぞれもう離婚して新しい道を歩いた方が良いと。
 私は「レスで辛くてもまずはスパッと離婚する」意志を貫き、可能性を求めて離婚した。今は一人だし寂しさはあるが一緒にいるのに体も心も一人ぼっちの様な寂しさはない。
 自分が夫のレスで悩んでいた時には励みになり、離婚した今は登場人物がどこに向かって行くのか見届けたい作品である。

入賞
ニックネーム ともひろみんさん

 みちさんや誠さんと同じ悩みを持つ主婦です。結婚して10年になりますが、夫から求められることは数年前からありません。でも夫婦仲は悪くなく、夫からは愛情を感じます。お互い同じ悩みを持っていて、惹かれあってるのに、寂しさを埋めあっているだけということに気づいて、思い留まってる姿が胸を締め付けます。みちさんもそうですが、体を求められることは分かりやすいし、愛されてる実感を得やすいですよね。陽一さんをみていると、性欲と愛は別のようですし、求め合うものが噛み合わないもどかしさがとても引き込まれます。この作品を通して、体を求められない寂しさをどう克服していけばよいのか、毎回すがるような思いで読ませていただいています。心をとるなら体は諦めるべきなのか、でも体を求める気持ちは心と繋がっているし、これからみちさん達の気持ちがどのように変わっていくのかが気になります。愛してるから体の関係が欲しくなって、でも自分で勝手に愛の基準を作って、相手がそれに応じないと不安になってしまうんですね。私も夫に一歩的な基準を作っているのかな、と作品を読んで気づきました。相手を求めないこと?相手の気持ちに寄り添う?ことが愛なのでしょうか。どうしたら自分の心は救われるのか、みちさんと重ね合わせてこれからも読んでいきたいです。

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ニックネーム ぱきらんさん

「あなたがしてくれなくても」
 いい。
 平気。
 大丈夫。
 さみしくない。
 後に続くみちの言葉を探してみるが、いずれも、強がりのどこかに属してしまう。
 少し前の私もレスで、いや、今もレスである。6歳離れた2人目の女の子を出産しちょうど1年たった。
 妊娠を言い訳に夫を求めたやっとの行為のあと、逃げるように夫がシャワーを浴びに行ったあの日が忘れられない。
 陽一はみちにセックスの重圧を告げたが、みちがハッとするより前に、私もしっかり傷ついた。誰だって、夫に迫りたくなどない。夫を性的に 必要とするこの気持ちが一方的だとするならば、お互いの気持ちが合致する、そんな奇跡的なことが果たしてこの先あるのかな。もしこれが男女逆なら、よくある話だと思いながら、男の方を強欲で勝手だと責めているに違いないのに。
 待望の第2子を得た私には、今となってはもう、セックスは要らない。誠のような存在はファンタジーそのものだ。夫は家族としてかけがえのない存在である。
 ただ、人生最後のセックスは明確にあの日のあれだったと、私はこれからも一生記憶していくだろう。
「あなたがしてくれなくても、今はとっても幸せ」
 と、嘘ではなく、前向きな言葉でしめてはみるが、これもさみしい気持ちをはらんだ精一杯の強がりなのかもと思う。

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ニックネーム さおおさん

「あなたがしてくれなくても」
 きっと、知らず知らずにレスになった妻達は1度は思う言葉なんじゃないだろうか。
 あんなに求められた過去を思い不安になり、勇気を出して誘い断られた後の不安と情けなさには押しつぶされる。
 自分を責め続けたり、どうしてなのか悩み続けるのには限界が来て.......
 そんな時に頭に浮かぶ言葉。
 惨めな自分の精一杯の強がりの言葉。
 だけど自分が1番知っているんだ。
 「あなたじゃなければ、ダメなんだ」
 涙を流して、夫に当たったりもして、そんな自分が嫌で、自己嫌悪になる。
 そんな夜を何度も迎えた。
 いつしか夜だけではなく、その事実に昼間も飲み込まれそうになった。
 そこまで来た時に、自問自答の中で出てきた言葉。
 自分だけが苦しんで居るような気持ちになっていた。恥ずかしくって友達にだって話せない。
 そんな私はみちに凄まじく自分を重ねた。だからこそ、強くなるみちの姿に感動を覚えるんだ。みちをみて自分には何が出来るのだろうと、前を向き背筋をしゃんと伸ばすことができるんだ。
 まだこの物語は終わっていない。
 私の結婚生活だって続いてゆく。
 ただ1つ分かっている事は、私にとってこのお話はあの暗くて辛くて惨めな夜にそっと寄り添ってくれる戦友だと言うことなんだ。

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ニックネーム ワイドランドさん

 私は男ですが、登場人物それぞれの気持ちがよく分かるから、読んでいて辛い。でも、読み進めずにはいられない。なぜなら、面白から。男性目線で読んでいると、特に印象深かったのが、陽ちゃんがみちとのセックスの中で「イカなきゃ!イカなきゃ・・・」と思ってしまっているシーン。この時の心情、痛いほどよく分かる。愛しているからこそ、傷つけたくなくて、男でもイカなきゃいけないと思ってしまう。女性漫画家さんで、こんなにも男性目線の描写が描けるのすごいと思いました。さらに、「セックスさえすれば満たされると思ってた」「キスだけでこんなにも満たされている」という、二つの言葉も胸に刺さりました。愛のないセックスよりも、愛のあるキス。女性は一般的にセックスには相手を身近に感じる事を重要視していて、男性は一般的にセックスを性欲を処理することを重要視していると思われがちですが、椎名さん(※原文ママ)を通してそうではない心がつながりたいからセックスをする男性もいることを「あなたがしてくれなくても」は伝えてくれていて、そこもすごく共感できました。女性目線で語られがちなセックスレスを、女性目線だけではなく、男性目線からも語ってくれるところに「あなたがしてくれなくても」の面白さ、魅力があると思いました。

入賞
ニックネーム misakiさん

 私はずっとみちと同じでした。三十代で何年も、夫から拒否されるレスを経験しました。夫婦仲は良好なのに。自分たちの関係をなぞるような想いで読みました。
 夫も被害者だという言葉が腑に落ちます。みちより長くレスを経験したので、夫の苦しみも感じていました。それでも、このまま一生誰にも女として見てもらえないのかという不安を受け入れることはできませんでした。みちのように、外に惹かれる男性がいたこともあります。私も一線を超えることはできなかったけど。
 四十代になりましたが、今も夫とはレスのまま一緒にいます。夫は三年前に生死を彷徨うような大病を患いました。余命じみたことも告げられました。それをきっかけに、私の気持ちはレスへの苦しみから綺麗に剥がれていきました。闘病する夫に伴走するうちに、いつの間にか私の中から性的な欲求が消えていて。この人が生きていて、幸せで、隣で笑えるならそれでよかったんだなと、本気で思うようになりました。命をかけてやっとそんなことがわかるなんて、とも思いますが、大きなきっかけでした。みちにとっても新名さんのことはきっかけなのかな。そんなふうに感じています。
 どんな道を選ぶとしても、みちと周りの人達に明るい未来が拓けることを願ってやみません。最後まで見届けさせてほしいと思っています。

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