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1967年「週刊漫画アクション」の創刊と共に誕生したルパン三世が、2017年の夏に50周年を迎えることになるのを記念して、先生にファンの皆様へメッセージをいただきました。

「ルパン三世が誕生して50年という節目を迎えることができました。これもひとえにファンの皆様の応援のお蔭です。ありがとう!! これからも未来のルパン達がどんな新しい活躍をするのか楽しみにしていて下さい!」

また、以前からインタビューでお話いただいていた映画について、集大成ということで、先生お薦めの30作品・シリーズを選んで語っていただきました!! (※一部ネタバレあり)

モンキー先生お薦めの映画30作品・シリーズ(※あいうえお順)
・『アラビアのロレンス』(1962年/イギリス映画)
・『エイリアン』シリーズ(1979年~/アメリカ映画)
・『キングコング』(1933年/アメリカ映画)
・クリント・イーストウッド主演の「マカロニ・ウェスタン」(1964年~/イタリア映画)
・『激突!』(1971年/アメリカのテレビ映画)
・『荒野の七人』(1960年/アメリカ映画)
・『ゴッドファーザー』(1972年/アメリカ映画)
・『座頭市物語』シリーズ(1962年~/日本映画)
・『猿の惑星』(1968年/アメリカ映画)
・『地獄の黙示録』(1979年/アメリカ映画)
・『史上最大の作戦』(1962年/アメリカ映画)
・『七人の侍』(1954年/日本映画)
・『ジュラシック・パーク』(1993年/アメリカ映画)
・『ジョーズ』(1975年/アメリカ映画)
・『スター・ウォーズ』シリーズ(1977年~/アメリカ映画)
・『スティング』(1973年/アメリカ映画)
・『西部開拓史』(1962年/アメリカ映画)
・『007』シリーズ(1962年~/英米合作映画・イギリス映画)
・『ターミネーター』(1984年/米英合作映画)
・『大脱走』(1963年/アメリカ映画)
・『沈黙の戦艦』他スティーブン・セガール主演アクション映画(1992年~/アメリカ映画)
・『2001年宇宙の旅』(1968年/英米合作映画)
・『ファンタジア』(1940年/アメリカのアニメ映画)
・『ベン・ハー』(1959年/アメリカ映画)
・『未知との遭遇』(1977年/アメリカ映画)
・『燃えよドラゴン』(1973年/香港・アメリカ合作映画)
・『用心棒』(1961年/日本映画)
・『ライトスタッフ』(1983年/アメリカ映画)
・『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年/日本のアニメ映画)
・『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(2001年~/ニュージーランド・アメリカ合作映画)

――本日は、シアタールームにお招きいただき、ありがとうございます。本当はベスト10ということでしたが、30作品・シリーズも選んでいただき本当にありがとうございます。

モンキー・パンチ先生(以下、モンキー):いやいや、選んでるうちに多くなっちゃってね(笑)。まず僕が最初にお薦めしたいのは、やっぱり『カリオスロトの城』。この作品は、新しい手法を使っているわけじゃないんだけど、見ちゃうんだよね。新しいことばかりを狙っていると、逆に見る方が疲れちゃうから、かえってその方がいいのかも知れないよね。

――最近は、映像技術先行で、内容が置いてきぼりになってる作品もありますからね。

モンキー:そうなんだよ。宮崎さん(宮崎駿監督)が上手いのは、アクションを漫画のようにしちゃうところなんだよ。冒頭のカーチェイスのシーンなんてまさにそうだよ。漫画みたいな動きで飽きさせないから、何度でも見られるんだよね。また、内容も略奪結婚、偽金と分かりやすいテーマで、奇をてらったものでもないし。オーソドックな物語で、しっかりと緩急があるから、内容が複雑じゃなくても楽しめるんだよ。この作品に限らず、そういうシンプルな構造の方が、作品として評価されていることが多いよね。

――確かにそうかもしれませんね。

モンキー:よく最後にどんでん返しがあって驚かされるパターンがあるけど、1度目はすごく面白んだけど、2度目はあんまり見る気がしないんだよね。自分で言うのもなんだけど、僕も何度か最後にどんでん返しの漫画を描いたけど、繰り返しては読む気がしないんだよ(笑)。だからと言って、どんでん返しがある作品は2度と見ないわけではないけれども、やっぱりシンプルな作品の方が何度も見てることが多いかな。

――オチが分かってても、もう1度見たいと思えるものには、何かしらの理由があるんでしょうね。見るときの心地よさというか。

モンキー:そうそう、007シリーズの『慰めの報酬』という作品の冒頭にジェームズ・ボンドのアストンマーチンと敵側のアルファロメオのカーチェイスがあるんだけど、展開やカット割りが『カリオストロの城』のカーチェエイスシーンによく似てるんだよね。これは僕が勝手に思っていることだけど、この作品に限らず、日本作品からインスパイアした海外作品は結構あるように思うんだよね。

――なるほど。確かに見てる側を、おっと思わせる良いシーンというのは、心にも残りますから、参考にしようとする気持ちは、よく分かりますね。それだけ日本の映画が素晴らしいということでもありますよね。

モンキー:次にお薦めしたいのが『ベン・ハー』。今回僕が挙げた好きな映画30の中から1番好きなものを選ぶとすれば、この作品だね。最後の二輪戦車競争のシーンは最高ですよ。この作品にはリメイク版もあるけど、やっぱり1959年公開作品の方がいいですよ。でも唯一残念のなのが、音がステレオじゃないこと(笑)。時代的にもともと音がないから、仕方ないですけどね。この戦車競争のシーンは見るたびに思いますが、50年以上前の撮影技術で、よくこれだけの迫力あるシーンを撮れましたよね。今ならCGや合成技術があるので、それほど難しくはないのでしょうが、当時は実際に戦車競走をしながら撮影していたと思われるので、ミスが許されない撮影だったでしょうね。もちろんベン役のチャールトン・ヘストンは馬を操りながらの演技だから、まさに命懸けの撮影だよ。

――1つのミスが命取りになるほど危険なシーンですよね。アカデミー主演男優賞を獲得したのもうなづけます。

モンキー:そうなんだよ。その緊迫感がヒシヒシと伝わってくるから、何度見ても真剣に見入っちゃうんだよ。

――確かにすごい緊張感ですね。そこが今なお名作といわれる所以なんでしょうね。

モンキー:そうですね。次にお薦めしたいのが『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』かな。この作品を知ったとき1日も早く見たかったので、アメリカまで見に行きましたよ(笑)。

――おお、それはすごいですね。シリーズの最初に公開された作品ですよね。

モンキー:そう、オープニングの壮大な音楽と共に巨大な戦艦スターデストロイヤーがスクリーンいっぱいに出現するシーンは圧倒されますね。これぞ『スター・ウォーズ』ってシーンですよ。このオープニングロールなんだけど、以前これを作った人にお会いしたことがあって、どうやって作ったのか聞いたことがあるんですよ。そうしたら学校の長い直線の廊下を借りて、そこに文字を書いて上から撮っていったらしいんだよね。

――今ではCGなどでできることですが、昔は大変な苦労をしたんですね。

モンキー:そうだね、あと地上の乗り物でスピーダー・バイクという浮遊しているバイクが出てくるんだけど、あのシーンもCGではなく1コマずつバイクのタイヤを全部消して編集したらしいんですよ。

――そういうお話を聞くと、製作陣の熱い思いをひしひしと感じますね。

モンキー:この作品に、いかにお金と時間を費やしていたのかが分かりますよね。この映画で僕が好きなのは、最後のデス・スターを破壊するときの攻防なんだけど、戦闘シーンはCGではなく、戦闘機のミニチュア模型で一つ一つ撮影しているんですよね。シュノーケルカメラという模型よりも小さい特殊なカメラで撮影していて、このカメラで撮影すると、小さな模型でも大きく見えるんですよ。

――まさに知恵と工夫の結晶なんですね。アナログな時代でこれだけのことができて、CG時代の現在に見ても見劣りしないのはすごいですね。

モンキー:そうだよね。あとR2-D2役のケニー・ベイカーさんが2016年に亡くなられましたけど、生前にお会いしたことがあるんですよ。サンディエゴのコミックコンベンションに招待されたときのことなんだけど、泊まったホテルのレストランで僕の後ろに並んでいたんですよ。その横にはものすごく背の高い方がいて、その方はチューバッカ役のピーター・メイヒューさんでしたよ。現地で僕を案内してくれていた人が教えてくれて、サインを貰おうかと思ったんだけど、食事中だったので止めたんだよね。でも貰っておけば良かったかな(笑)。それともう一つ思い出深かったのは、コミックコンの最後の夜に、コスプレ大会があったので見に行ったんですよ。日本のアニメのキャラも含めて、色んなコスプレが出てきて、一番最後にダースベイダーが出てきたんです。そのダースベイダーが「ホントの正体は?」と言ってマスクを脱いだらルパン三世だったんですよ。

――すごい!! それは先生へのサプライズだったんですか?

モンキー:たぶんそうだと思うけど、それには感動しましたね。実はこの作品は、黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』のシーンからのオマージュが多くて、ラストシーンもその一つみたいですね。また、R2-D2とC-3POの掛け合いは、『隠し砦の三悪人』に出てくる太平(千秋実)と又七(藤原釜足)のコンビをモデルにしたそうですから。

――なるほど。昔の日本映画も海外の映画にかなりの影響を与えていたんですね。ところで、日本映画で先生の特にお薦めの作品はありますか?

モンキー:今の話にもあった『隠し砦の三悪人』も好きなんだけど、『七人の侍』と『用心棒』、『座頭市物語』かな。特に『七人の侍』は日本の映画のヒーローの代表作だと思うから、外すわけにはいきませんよね。この作品はホントに好きで、1年に1~2回は見てますよ。ただ、すごく面白いんですけど、怒鳴るシーンの音が割れてしまっていて、何度見ても何を言ってるのか分からないんですよ(笑)。最近リマスター版が上映されたようなんですが、映像はものすごく綺麗だったみたいですね。

――フィルムは修正すれば高画質になるそうですが、音は難しいようですね。

モンキー:古い映画の宿命ですかね。この作品、冒頭で盗賊が山を走るシーンがあって、シナリオには盗賊が現れるとだけ書いてあるんです。そのシナリオを公開前に読むことが出来たので、そのシーンを漫画にしたことがあるんですが、映画を見たときにそのシーンが自分が描いた漫画とよく似ていたんですよ。あれには自分でも驚きましたね。

――それはすごいです。映画と漫画はカット割り・コマ割りが似ているとも言われますけど、魅せるシーンというのは、やはり似てくるものなのですね。

モンキー:この映画のすごいところは、黒澤明監督がこの映画を作った後に、アメリカ軍に呼ばれて、7人の侍が村を襲う40人の盗賊を倒すという作戦を、アメリカ軍からいたく気に入られたらしく、あのアイディアはどこから思いついたのかを聞かれたらしいですね。

――軍の作戦に匹敵するか超えるほどのリアリティがあったということですか!! 面白いものには理由があるのですね。

モンキー:そうかも知れませんね。その盗賊との最終決戦も見どころですが、僕は、7人の侍を集めるまでが、一番好きですね。中でも、久蔵(宮口精二)の登場シーンが好きなんですよ。久蔵と野武士が木の棒で戦うんですが、見た目は引き分けになり相手が「相打ちじゃな」というと、久蔵が「拙者の勝ちだ」って言うんです。それに納得のいかない野武士が真剣で勝負を挑むんですが、久蔵が表情を変えずに斬りつけるんです。このシーンは久蔵の格好良さ、強さが現れてるシーンですよね。このシーンは『七人の侍』のリメイク版アメリカ映画『荒野の七人』でもあるんですが、またちょっと違っているんですよ。

――名作を見ながら類似点や相違点を実際に見比べるなんて、すごく贅沢な時間です。

モンキー:そうですか(笑)。『荒野の七人』は、舞台が西部開拓時代にはなっているけど、盗賊に苦しめられている村人を助けるために、7人の男を集めるという、基本構成は同じなんですよ。でも大きく違うのが『七人の侍』を見てるとどうしても暗くなるけど、『荒野の七人』は陽気で明るいんだよね(笑)。

――そうですね、こちらの方が楽しく明るい感じがありますね。国民性でしょうか。

モンキー:この作品にブリット(ジェームズ・コバーン)という『七人の侍』の久蔵にあたる役を演じている男がいるんです。このブリットは銃のウデもさることながら、ナイフの達人でもあって、腕自慢のガンマンに勝負を挑まれて戦うんですが、拳銃に対しナイフを投げて勝つんですよ。実は、次元大介のモデルが、このブリットで、口数が少なく帽子を目深く被っているんですね。さらに馬に乗って遠くにいる相手を、一発で仕留めるシーンがあるんだけど、これがまた格好良くて、「これだ!」って思ったんです。

――すごく格好良いです!! アメリカ映画のエンターテインメントな部分はやはりさすがですね。

モンキー:もっと語りたい映画はあるけど、今回はこんなところですかね。第2弾は3D作品で行きましょうか?

――本当ですか!! ありがとうございます。次回も是非よろしくお願いします。

昨年末のお忙しい中、映像を見て、お話を聞いてと、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。 改めまして、ルパン三世生誕50周年、おめでとうございます!!

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